ぜっぽう星人です。
ペルソナ5(P5)のオタカラを奪う決行日にかかる曲、"Life Will Change"の歌詞及び和訳とその解説です。
"Wake Up, Get up, Get Out There"の訳を踏まえつつ訳してみました。
"Life Will Change"
人生は己の意志で変えられる
作曲 目黒将司
作詞 Benjamin Franklin
歌 Lyn
意訳
It's not a game
これはゲームなんかじゃない
I'm not a robot AI challenging you
俺は従順なロボットなんかじゃない、お前に挑んでいる
I'm not a phantom
俺は幻影などではなく
I'm in your face and
お前の目の前に実在している、そして
I'm here to see it through
お前の改心を見届ける為にここにいる
Right before your eyes
お前の目の前で
Watch us multiply
俺たちが強くなるのを指を咥えて見てろ
Come to claim our rights - it's time
俺たちは正義を示す為に参上したーーさぁ、時は満ちた
As our power grows
俺たちの力はどんどん増していっているぞ
Tryin' to stop us shows
俺たちのショーを止めさせなくていいのか
(You) Might as well go try'n stop time
止められるものなら時間でも止めた方がいいんじゃないか
So you know that we're out there
お前も気が付いてるだろ、俺たちはもうそんな所からは抜け出している
Swatting lies in the making
お前がついている嘘を叩きのめしてやる
Can't move fast without breaking
現状を打破しなければ自由になんて動けない
Can't hold on or life won't change
そのまま何もしないのでは駄目だ、さもないと人生は何も変わらない
And our voices ring out, yeah
俺たちの声が鳴り響く
Took the mask off to feel free
自由を得る為に偽りの仮面を剥がした
Fought it out in the debris
瓦礫の中で諦めずに抗った
Now we know that life will change
今や俺たちは知っている、人生は変えられるって
Ain't it a shame
抗えなかったのは仕方がなかった、恥ずべきことじゃない
I'm not a figment of your ailing old mind
俺はお前のその腐りきった心が生んだ虚構なんかじゃない
I'm just as real as
俺はお前と同じようにここに存在していて
I'm just as dangerous
お前と同じくらい恐ろしい存在だ
As you, so know you'll find
だからお前は知ることになるだろう
A taste of your own meds
自業自得だったって
Fire in every breath
お前は目の当たりにするだろう、何度でも炎のように燃え上がる俺たちの意志を
Fire inside your head, your heart
お前の頭の中で、心の中で燃え盛る意志の炎を
And as your crippled brain
お前のその腐った脳味噌を存分に使って
Tries to fight in vain
悪足掻きでもしてみろよ
Your empire will fall apart
お前の帝国はもう崩壊する
And you'll know we were out there
お前は後で知ることになる、俺たちはもうそんな所から抜け出したって
Swatted lies in the making
お前のついた嘘を叩きのめしてやった
Your empire for the taking
お前の帝国は簡単に俺たちの手に落ちた
Can't hold on or life won't change
何もしないままでは、人生は何も変わらない
And our voices rang out, here
俺たちの声が響き渡った
Took the mask off to feel free
自由を得る為に偽りの仮面を剥がした
Fought it out in the debris
瓦礫の中で諦めずに抗った
Now we know that life will change
今や俺たちは知っている、人生は変えられるって
意訳の解説
まずこの曲の歌詞はOPの曲"Wake Up, Get up, Get Out There"とかなりリンクしているのでそちらの意訳と解説も読んで頂けるとより楽しめるかなと思います。
1番
It's not a game
これはゲームなんかじゃない
I'm not a robot AI challenging you
俺は従順なロボットなんかじゃない、お前に挑んでいる
challenging youがrobot AIを修飾していて、
俺は、お前に挑んでいる(お前の相手をしている)ロボットなんかじゃない。
という意味なのかと迷ったが、
I'm not a robot AI (and I'm) challenging you
ということだと個人的には思います。
なぜならこの後に、幻影ではない、目の前で立ち向かっている。と続いており、自然だと思ったから。
ロボットは反抗なんてしませんが、俺たちは違う、挑んでやる、ということ。
この辺りは"I Believe"ともリンクしていて、とても激熱。
I'm not a phantom
俺は幻影などではなく(2022/10/01修正)
俺は幻影ではない
ゲーム内での怪盗団のデフォルトネームが「ザ・ファントム」
幻影のように正体を掴ませない、という由来だと思います。
でもこれ、歌詞は幻影ではない、幻影なのか幻影じゃないのかどっちなんだとなりますよね。
歌詞と名前を合わせてオシャレにする為にちょっと矛盾が生じたというのはあると思いますが、
本質的には、しっかりとした意志を持って戦う、朧気な存在ではないんだ、というような意味が歌詞には含まれている、と訳していて感じました。
要は幻影であるが、また幻影ではないんですね。
I'm in your face and
お前の目の前に実在している、そして(2022/10/01修正)
お前の目の前にいる
I'm here to see it through
お前の改心を見届ける為にここにいる
see through 見通す
このitが何を指すかは難しいところ。
個人的には訳の通り「改心」「悪事」辺りかなと思う。ただまあ、オタカラを奪う決行日にかかるBGMなので改心だと思う。
Right before your eyes
Watch us multiply
お前は目の前で
俺たちが強くなるのをただ指を咥えて見ていろ
right ちょうど
副詞のright
multiply 増殖する
Come to claim our rights - it's time
俺たちは正義を示す為に参上したーーさぁ、時は満ちた
直訳:俺たちの権利を主張する為に来たーー時間だ
権利を主張、だと堅苦しくいまいち的を得なかったので、意訳。
As our power grows
俺たちの力はどんどん増していっているぞ
as ~するにつれて
Tryin' to stop us shows
俺たちのショーを止めさせなくていいのか
tryingのgは口語や歌ではほとんど発音しないので省略されていることを表すアポストロフィ
(You) Might as well go try'n stop time
止められるものなら時間でも止めた方がいいんじゃないか
直訳:お前は時間を止めようとしに行った方がいい
ここは文法的に難しい。
まず本来の形にすると
(You) Might as well go to try and stop time
might as well ~した方がいい try and do=try to do ~しようとする
go to doで~しに行く、だがgoの場合toが口語ではよく省略される。さらにtry andのaとdは弱い音で発音されないため、try'nと表されている。
この辺を踏まえると直訳のように訳せるはず。ただ訳が回りくどい印象だったので時間を止めた方がいいんじゃないか、とした。
だが急に時間を止めるという話になるのも不自然な感じがした。そもそも時間を止めるというのはまあ現実には無理なことなので、「時間を止めた方がいいんじゃないか」というのは煽りだと考えられる。よって止められるものなら、という節も追加して意訳とした。
隠れた意味を上手いこと訳せたかな、と満足できた意訳箇所です。
So you know that we're out there
お前も気が付いてるだろ、俺たちはもうそんな所からは抜け出している
このへんから"Wake Up, Get up, Get Out There"と重なってくる。
Just imagine you're out there
そこから開放されることをちょっと想像してみろ
という歌詞が"Wake Up, Get up, Get Out There"にあります。
またちょっとずつ変わってたりするのが面白いところ。
Swatting lies in the making
お前がついている嘘を叩きのめしてやる
in the making 進行中の
ここは"Wake Up, Get up, Get Out There"と全く同じ
訳は合うように少し変えました。
こっちでは悪人の内の一人に対して言っている感じがしたので。
Can't move fast without breaking
現状を打破しなければ自由になんて動けない
ここも全く同じですね。訳も変えなかった
Can't hold on or life won't change
そのまま何もしないのでは駄目だ、さもないと人生は何も変わらない
直訳:そのままでいるな、さもないと人生は何も変わらない
命令文 or ~ ~しろ、さもないと~になる
"Wake Up, Get up, Get Out There"では
If you hold on, life won't change
そのままでは、人生は何も変わらないぞ
こっちの方が言葉が少し断定的になっている。覚悟を決めた感じ。
And our voices ring out, yeah
俺たちの声が鳴り響く
曲名略では
Let your voices ring out, yeah
君の声を鳴り響かせろ
実際に怪盗となり反逆し、鳴り響かせることができたんですね
Took the mask off to feel free
自由を得る為に偽りの仮面を剥がした
曲名略では
Take the mask off and be free
仮面を剥がして自由になれ
偽りの仮面というのは、偽りの自分を演じるための仮面、という意味
ヨハンナが偽りの自分からの卒業記念日です、といっていたのでそこから偽りという言葉を持ってきた。
takeが過去形になっているのもポイント(他の箇所もちょくちょく過去形になっている)
あとandからtoになっている。
時系列てきには"Life Will Change"の方が後。
覚悟を決める前→覚悟を決め行動に移したイメージ。
Fought it out in the debris
瓦礫の中で諦めずに抗った
Find yourself in the debris
瓦礫の中から本当の自分を見つけ出せ
だった。
Now we know that life will change
今や俺たちは知っている、人生は変えられるって
If you hold on, life won't change
Can't hold on or life won't change
ときて遂にこのフレーズ。タイトル回収にもなっている。
~しないと人生は変えられない、だったのが抗い、悪党を改心させることで(決行日の曲なので厳密には現在進行形だが)人生は変えられると歌っている。
この歌詞の積み重ねがあってからのこれは痺れますねーー。
P5もP5Rにも根底にあるのはこの人生は変えられるというフレーズだと言えますね。
2番
Ain't it a shame
抗えなかったのは仕方がなかった、恥ずべきことじゃない
直訳:それは恥ずかしいことではない
shame 恥、不名誉、慙愧の念
分かりやすくする為に補足の訳を付けた。
I'm not a figment of your ailing old mind
俺はお前のその腐りきった心が生んだ虚構なんかじゃない
直訳:俺はお前の病んだ年老いた心の虚構ではない
figment 虚構、絵空事 ailing 病んだ
ailing oldを腐りきったと訳してみた
I'm just as real as
俺はお前と同じようにここに存在していて
後に出てくるas youに繋がっている
I'm just as real as as youということ
I'm just as dangerous
お前と同じくらい恐ろしい存在だ
1つ前と同じ
As you, so know you'll find
だからお前は知ることになるだろう
このfindがA taste of your own medsとfireにかかっていると考えられる。
ここはかなり悩んだ。fireを燃え上がる、という動詞だと捉え、findとは独立していると考えることもできると思う。だが曲を聴くと分かるが以下の3小節(3フレーズ)はメロディーに類似性があることからも並立の関係が成り立つだろう。故にこのような訳となった。
あと、
so (I) know you'll findだと思われるので厳密には俺は知っている、が訳に入ると思うがまあ入れると少し回りくどかったので思い切ってなしにした。
A taste of your own meds
自業自得だったって
直訳:お前自身の罪の味を
meds=medicine 薬、(苦しいが避けては通れない)懲らしめ、罰
a taste of your own medicine 自業自得
これはイディオム(慣用句)だが、あえての直訳もなかなか味が出ていい訳だと思う。捨てがたかったがイディオムとして自業自得と訳した。
Fire in every breath
お前は目の当たりにするだろう、何度でも炎のように燃え上がる俺たちの意志を
every breath 呼吸をする毎に、繰り返し
先ほどの説明の通り、find fire
だが知る、では少し違う気がしたので訳を追加して対応した。
Fire inside your head, your heart
お前の頭の中で、心の中で燃え盛る意志の炎を
精神世界であるパレスで、という意味での頭や心の中ということ。
And as your crippled brain
お前のその腐った脳味噌を存分に使って
clippled 動作不能になった
Tries to fight in vain
悪足掻きでもしてみろよ
直訳:無駄に戦おうとしてみろよ
in vain 無駄に
Your empire will fall apart
お前の帝国はもう崩壊する
empire 帝国 fall apart ばらばらになる
willは意志という意味の名詞ではなく、助動詞
And you'll know we were out there
お前は後で知ることになる、俺たちはもうそんな所から抜け出したって
ここは1番と対応してる1番では
So you know that we're out there
お前も気が付いてるだろ、俺たちはもうそんな所からは抜け出している
時制が1つ繰り上がっている。
オタカラを奪った後の心情ですね。
Swatted lies in the making
お前のついた嘘を叩きのめしてやった
ここも1番ではswattingだった
Your empire for the taking
お前の帝国は簡単に俺たちの手に落ちた
for teh taking 簡単に手が届く
Can't hold on or life won't change
何もしないままでは、人生は何も変わらない
And our voices rang out, here
俺たちの声が響き渡った
1番では
And our voices ring out, yeah
俺たちの声が鳴り響く
ringが過去形のrangに、yeahがhereになっている
yeahはただのイエーだが、hereになったので響き渡る、という訳に変更した。
Took the mask off to feel free
自由を得る為に偽りの仮面を剥がした
Fought it out in the debris
瓦礫の中で諦めずに抗った
Now we know that life will change
今や俺たちは知っている、人生は変えられるって
感想
"Life Will Change"はオタカラを奪う決行日に流れる曲。
"Last Surprise"とならんでP5を代表する曲ではないでしょうか。
一応最初のカジノでボーカル有りがちらりと流れて、一気にP5の世界観、スタイリッシュさに引きずり込まれる。
某パレスまではinst.verが流れるがこちらはキーがボーカル有りverと比べて若干上がっていてこれはこれでカッコイイ。
普通にいいのですが、佳境にはいったとき、また忘れたころに突然Lyn氏の力強いボーカル有りverが流れるもんだから、完全にに参りました。この演出は凄かったです。記憶を消して味わいたい衝撃でした。
さて、意訳についてですが、記事を書いていて思ったのが"Wake Up, Get up, Get Out There"とのリンクです。少し言い回しが変わっていたり、過去形になっていたり、ですね。クリティカルで無駄がなく歌詞が洗練されていました。なんというか、演出面も含めこの曲はP5の曲の中でも作りこみ度が特に抜きんでているように感じましたね。
この曲を如何にかっこよく聞かせるかを考えてP5が作られたようにも感じます。
あとは"I Believe"ですよね。こっちの記事では何がとは言えませんが、またこれがアツい。
解説することが多すぎて執筆に7時間くらいかかってしまいました。。。
長くなってしまいましたが、以上になります。
関連が深い曲へのリンクを張っておくので、ぜひ見てみて下さい。解説付きです。
"Wake Up, Get up, Get Out There"
P5、P5Rの曲の和訳は以下にまとめてあります。
このイラストが合いますヨネ、かっこいい...