ぜっぽう星人です。
8月頭に買ったシュタインズゲートやカオスチャイルドのシリーズ作品である「アノニマスコード」をクリアしました。感想を残します。
ネタバレあり。
- 総評
- はじめに
- セーブ&ロードによるプレイヤーの「当事者感」の演出
- ストーリーについて
- エンディングについて
- 印象的な良かったところ
- だめだったところ
- 疑問点
- シュタゲシュタゲ0カオヘカオチャをやった人向け
- 最後に
総評
セーブ&ロードによるプレイヤーの「当事者感」の演出、量子力学×陰謀論的なオカルト話という題材
は良かった。
しかしキャラの掘り下げ、ボリュームが圧倒的に足りなかった。
何年かかっても良かったのでもっとじっくりと完成させて欲しかった。素材がいいだけに非常にもったいないと感じてしまった作品だった。
(妄想)科学アドベンチャーシリーズ好きなら買ってもいいと思う。普通には面白い。でももっと安くなってからでもいいと思います、くらいの面白さでした。
シュタゲやカオスチャイルドの半分くらいの満足感。
はじめに
私はシュタインズゲートをアニメで見て、しっかり科学的に(少なくとも納得できる)説明がされていることに惹かれた。
それからカオスチャイルドとカオスヘッドをプレイして、かなり満足感を得ていた。
そんな中、発表から7年と満を持して本作アノニマスコードが発売され、そのすこしオカルチックなテーマが面白そうだと思って購入した。
ネタバレあり、プレイ済みの方のみご覧ください。
セーブ&ロードによるプレイヤーの「当事者感」の演出
プレイヤーは別次元、もしくは最上位の世界層の人間であり、そこから主人公であるポロンを観測しているという設定だった。
プレイヤーまでゲームの中に巻き込み、干渉してくるゲームは私が知っているもので「ア〇〇ー〇〇〇」や「ニ〇〇〇ー〇〇〇」などいくつかある。
ただしこの手のギミックはゲーム内の世界とプレイヤー側、すなわち観測者との繋ぎ方が難しい。
そこを世界層などの概念を使って、納得感のある繋ぎ方をしてきたのはさすが(妄想)科学アドベンチャーシリーズだと思った。
もちろん重箱の隅をつつくような見方をすれば穴はあるのだが、自然に納得できるような流れになっていた。さすがです。
ここが(妄想)科学アドベンチャーシリーズの良さ、凄さだと思う。
カオスヘッド、カオスチャイルドはゲームを、シュタインズゲートはアニメで見たが、あくまでプレイヤー=主人公であった。
そこを打ち破ってきたのは素直に面白い試みだった。
最初のうちはポロンのかなりの前向きさや好き勝手さに、「あまり感情輸入できないキャラづくりだな」と感じていたのだが、それはプレイヤーはポロンではないので当然であり、ある種意図的だったと感じる。
このギミックの真骨頂が、no.18エンドの回避、2週目への突入、モモのデータアップロード、この3つに「私」が干渉できることだった。
少しここは備忘録的なかんじになる。
バッドエンド回避は、三時間ほどかけて何とか自力でたどり着くことができた。
もう一度チャンスがあれば...という露骨なセーブロードを使えというヒントから、まずは片っ端からハッキングトリガーを引いたが駄目だった。
次はアスマに消されたところがそもそもダメだった、と思って何とかやってみたがそれは回避できなかった。
あれこれ試しているうちに、アノニマス君、つまり私が作ったデータがあるけど、、、みたいなことを言っていたのを思い出す。
さらに、「イヤな予感」がしたら慎重に行動せよ、というヒントから「イヤな予感」とポロンが言っていることに気が付きいた。
ということで「イヤな予感」のところでセーブしてハッキングトリガーを引いていたところ、セリフの変化を確認。
「アノニマス君のデータをロードする」ということに完全に気が付いていたわけではなかったが、「慎重に行動」したおかげで見つけることができた。
振り返ってみると、絶妙にちょうどよいヒントだった。
続いて、終末カウントダウン時に、私が抵抗してポロンに問いかける、というギミック。
この演出もポロンに実際に問いかけてる、という感じでアツかった。
最後に、モモのデータアップロード。
これは事前にライフゲームで遊んでいた、何なら銀河も作っていたこともあってか、すぐに気が付いた。
これも面白かった。
ストーリーについて
今までとは違い、いわゆる少年漫画的な王道ストーリーであった。
これはこれでいいのだが、掘り下げが少ないこともあり少し順調に進みすぎ感があった。もう少しモモの仲間を巻き込むことへの苦悩だとか、ポロンの正義感の根源とかを深く教えて欲しかったと感じる。
やはり苦労している部分を見せられないと、人間はどうしても感情移入しにくいと思うので。
逆に、個人的に好きなところ。
それは2週目でポロンが、自分が全知全能になってしまったが故に、モモを始めとして仲間たちから神格化されてしまうところ。
1つ印象的なセリフがある。
「ロード前の初めて会った(一週目の)モモのデータを残せなかった」というセリフだ。
ポロンは終末回避に向けてただひたすら前向きに取り組むモモにひかれていた。そんなモモを助けるためにやり直したのにこれはかわいそうであった。
また、2週目は、ポロンが作ったデータを読み込むことで、2週目に彼がどんな立ち回りをしたかが分かる。
これ、最初のうちはモモって呼んでいるが、神格化されてからは君というようになる。
ポロンと「アノニマス君」だけが分かるこの寂しさは非常にやるせない気持ちになった。
が同時に、クリスが言うように「素敵」でもあった。
エンディングについて
モモの記憶と人格をブラックナイトに送ったとのことだった。ただし終末の1週間前のモモ。
つまりモモはポロンのことは知っている状態で戻るってこと。
最後のシーン、クロスからポロンという名前は聞いているみたいなのでもともと覚えていたかどうかはわからないが、さすがにモモだけは覚えていたのであろう。
詩に関しては1週目のできごとなので矛盾が生じるが、そこはポロンや「アノニマス君」を通して覚えていたということに、私の中でしてある。
モモの最後の依頼は何だったのか
20分くらい考えていたが、
「人を探して欲しいんです、私の大切な人、高岡ポロンさんです。」
だ、これだ!
最初にモモは人探し(ケント)をしていて、頭に浮かんだ顔(ポロン)に声をかけたと言っていた。
このセリフならば、1週目にせよ、世界線大変動後の世界にせよ、どちらも救世主を探すためにポロンに話しかける、という共通点もある。
モモにとっての救世主はケントからポロンに変わったのでそこだけ変わっているという感じです。
個人的に納得できる答えがでて、スッキリしました。
印象的な良かったところ
キャラデザや雰囲気、テーマを含め、今までの作品よりも割りと硬派になっていた。
個人的にはこのくらいカッチリした雰囲気は好き。
ただCGなどはカオスヘッドやカオスチャイルド感も残っていて、ちょうどよいバランスだったと思う。
画面=ポロンの視界
BでBMIを切る、という意味もあるのが良かった。ARなどは消える。
ハッキングのときに出てくる画像、クエストの画像、クマさんの講義などは、デザインに非常に気合が入っており、雰囲気を楽しめてよかった。
クリスマスプレゼントをあげそびれたところでロードすると、モモがキレるところ。伊藤ハムサンド事件がちらつき、面白かった(カオチャ)。
だめだったところ
舌鋒鋭く書く。
始めにも書いたが、やはり題材にはポテンシャルがあったが、掘り下げ不足感が否めずもったいないなと感じてしまった。
1. エンドが実質モモエンドしかない。
まず過去作は所謂ギャルゲーの系譜が残っていたこともあり、各ヒロインエンドがあった。故にてっきりモモエンド以外にもジュノ、バンビ、ノンノあたりのエンドはあると思ったので残念。
でもこれはそもそもアノニマスコードはギャルゲー感を撤廃して作ったと思うので仕バランスが難しそう。
いずれにせよキャラは魅力的だっただけにキャラの掘り下げがなかったのが惜しい。
2. 掘り下げ不足
1. でも述べたが、魅力的なキャラが多いのに掘り下げが圧倒的に足りなかったと思う。
ポロンとクロスのエピソードや、ジュノ、オズあたりはもう少し詳しく知りたかった。
3. オカルト系の話のあっさりさ
これは個人的な印象の話だが
ガウディコードとかファティマ第三の予言とか聖務室あたりの、陰謀論的な部分のヤバさをあんまり感じられなかった。
PVで期待していたのとは違うかな、という印象を受けた
4. モモやポロンの正義感の根源の説明不足
すごく立派だと思う。が、もう少し掘り下げが欲しかった。なぜ困っている人を助けたいのか。キャラクターのモチベーションがあまり伝わってこなかったので、そこで主人公たちと少し気持ちが乖離してしまったように感じる。
特にモモに関して、一度は巻き込みたくなくて去ったのに、ポロンの一途さを見て巻き込むことは気にせずにあっさり戻ってきたところが、一番感情移入できなかった。
疑問点
私が忘れているだけかもしれないが、よくわからなかったところを書く。ぜひコメントで教えてください。
・ケントが平然と現実にいるのはなぜか?
死んだのでは?アマデウスの中にいるけど、それは省略して立ち絵として出しているってだけ?でもプールハックのところでCICADAからのメッセージ前にモモが見ているので謎。
シュタゲシュタゲ0カオヘカオチャをやった人向け
これらの作品の重大なネタバレを含むので注意
気が付いた過去作要素
Dashことダル
カオチャでも出てきた、最初のクエストランキングでも4位にいたのでニヤリとした
クリス
話には出てくるが、真エンドで声付きで登場。ただしアマデウス。もう少し出してほしかったという気持ちもあるが、これくらいがちょどよいと思った。
シュタゲがたしか2011年だったので2038年では47くらいなのでさすがにオバサンクリスは出せないという事情もあるだろう(笑)
ポロンに対して孤独に戦った人を知ってる、とオカリンと同格に賞賛してくれたのはうれしかった。科学アドベンチャーシリーズの主人公は大変だなあ。
ギガロマニアックス
サクラメントはギガロマニアックスっぽかった。まあギガロマニアックスは何でもありなのでめちゃくちゃですが。
また、サクラメントをみんなが使うところで4chにて
ギガロマニアックスみたいだね、たはは
というチャットがあった。たははといえば咲畑梨深。本人かはわからないですけどファンサービスですね。くすっとした。
300人委員会
あとは300人委員会が聖務室の裏にいるみたいなことをダルが言ってました。
結局300人委員会は今作でも倒せませんでした。。。いつか歴代主人公が共闘したら面白い。
近くの大人への疑心暗鬼
シュタゲではブラウンやレスキネン、カオチャでは和久井、父さんのせいで、
本作でもまず身近な大人をめちゃくちゃ疑ってしまった。オズさんめちゃめちゃいいおじさんでした、ごめんなさい。
むしろめちゃめちゃ怪しいユアンがシンプルに裏切りましたね。掘り下げが特になかったのでショックはありませんでした。ここも惜しいなと思ってしまった。
また尾上と伊藤のせいでまずウインドを疑いました。中野シンフォニーズじゃないのに、とかポロンがかなり露骨に言ってたので。疑ってごめんなさい。
シュタゲはともかく、カオチャにかなり疑心暗鬼にさせられていたなと痛感した。
シリーズ恒例のえぐいエンドとかもあんまなかった。しいて言えばポロンがジュノによって壁に埋められるやつ。
最後に
題材やギミックが良かっただけに、明らかに掘り下げやボリューム不足だったのが非常に惜しい。
95点にくらいになるポテンシャルを持っていたけれども50点くらいで妥協して発売してしまったように感じてしまった。
でもやはり(妄想)科学アドベンチャーシリーズのワクワク感は健在で、面白かったです。
これからも応援しています。