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Mass Destruction -P3fes version-歌詞和訳【解説付き】ペルソナ3(P3)

ぜっぽう星人(Twitter@zeppousz)です。

P3fes追加エピソード中の戦闘曲"Mass Destruction -P3fes version-"の歌詞及び和訳と解説です。

原曲であるMass Destructionの歌詞を変えて音もちょっと変えたアレンジ曲。あまり知名度は高くない気がするが、韻だとか、ラップの特徴であるユーモアあふれる歌詞のレベルがかなり高いと感じました。

意訳

I thought told y'all to sit down or get down
座るか跪いとけって言ったよな

 

I'm abouta hit ground
もうすぐお前が這いつくばってるとこに行くからよ

 

When I'm in the box, my hits way out of this bounds
窮地に立たされたときは、ぶん殴りまくって限界を超えてやる、道を切り開いてやる

 

Nobody's topping me, you know it damn right
誰も俺を超えられない
(その通りだろ?なぁ)

 

Most of y'alls loving me, do it all night
お前ら全員、俺を愛してんだろ?
(俺は毎夜戦ってんだ)

 

Keeping my friends close and my foes closer
「友は近くに置いておけ、敵はさらに近くに置いておけ」だっけか

 

things getting messy but I never lick the nose up.
状況は面倒になりつつあるが、俺は絶対にクツ舐めて媚びたりしぇぞ

 

As I get older, see things slower,
歳を重ねるにつれて、世界が遅く見えてきた

 

My eneme's looking like kids and I'm the grown up
敵がただのガキに見える、俺は強くなった

 

Forget it, I'm the next masterpiece made.
忘れてたぜ、俺は皆様ご期待の超新星

 

The new generation came up with the beast "ACE"
新しい時代が”エース”という獣を作っちまったのさ

 

But I'm the mister nice guy
俺はイカすやつだろ

 

See me I'm a wise guy
俺を見ろ、ワイズガイだろ

 

Not a mafioso but I hustle like Mike
マフィアって意味じゃねえぞ?だけどよ、マイクみたいに張り切ってやるか

 

Lay low if you're feeling me
もし俺を感じてビビってんなら、大人しくしとけ

 

I take these beats / freaks go crazy with me
このビートを受け取ってやるから / お前らも俺と一緒に狂ってこうぜ

 

So put 'em up in these break with me
盛り上げていこうぜ、この時代の夜明けの中で俺とさ

 

So shake with the man, L to the J's, now follow me
体揺らせ、俺LJと一緒に
さあついてこい!

 

意訳の解説


I thought told y'all to sit down or get down
座るか跪いとけって言ったよな

tell 人 to do
get down 身をかがめる、他多数意味あり

 

y’all=youのあなたたち、であることを強調した表現
I thought (I) told y'all to sit down or get down
文法的にはただの時制の一致ではあるが、
言ったのにそうはならなかったときに、特に I thought (I) toldを使う

I'm abouta hit ground
もうすぐお前が這いつくばってるとこに行くからよ
直訳:これから地面に降りるところだ


be about to 今まさに、これから~するつもりだ

 

When I'm in the box, my hits way out of this bounds
窮地に立たされたときは、ぶん殴りまくって限界を超えてやる、道を切り開いてやる
直訳:窮地に立たされたとき、この限界からの俺の打撃

 

box 窮地
hit 打撃 bound 限界、境界、限度、範囲 普通複数形を使う
way 道 out of = from

my hits way out of this bounds
には動詞がなく、よくわからなかった。

 

Nobody's topping me, you know it damn right
誰も俺を超えられない
その通りだろ?なぁ
top ~を超える、~に勝る

you know it damn rightは聞けば分かると思うが合いの手のように歌われている。

 

Most of y'alls loving me, do it all night
お前ら全員、俺を愛してんだろ?
俺らは毎夜戦ってんだ

 

Keeping my friends close and my foes closer
「友は近くに置いておけ、敵はさらに近くに置いておけ」だっけか

“Keep your friends close, but your enemies closer.”
ゴッドファーザー2よりマイケル・コルレオーネのセリフ
enemiesがfoesに変わっているのはリズム的な言いやすさから?、friendsとfoesでfで踏むためかも

 

things getting messy but I never lick the nose up.
状況は面倒になりつつあるが、俺は絶対にクツ舐めて媚びたりしぇぞ

 

lick up (液体を)舐めつくす、媚びへつらう
noseは鼻、靴の先端(形状が鼻のように尖っているため英語でnoseという)
messy 散らかった、乱雑な、面倒な

調べたところ、lick upには第1に舐める、そして第2に媚びるという意味があるものの、lick the nose upという表現はない。(靴を舐めろ、という言葉の由来はシェイクスピアだそうで、lick the shoesとして使われることはあるらしい)
しかし、日本語では靴を舐める=媚びへつらうという意味が割と一般的に浸透しているので、lick up自体が持つ舐めるという意味にnoseという目的語を挿入することで日本語の「靴を舐める」と関連付けて、その結果英語のlick up自体が持つ第2の意味である媚びへつらう、という意味にも一致しているため海外の人でも意味が分かるし、日本人がクツを舐める、と直訳したとしても理解できるという表現になっている。

英語的にはnoseがなくても通じるのだが、あえて入れるところにセンスを感じざるを得ない。

さらに、直前のclose(クローズ)、foes(フォーズ)とnose(ノーズ)で韻を踏めるという。。。

両方の言葉を知っているラッパーでないと書けない詞であり、めちゃくちゃセンスがあると思う。

筆者も始めはnoseを人間の鼻と思っており、「鼻を舐めるってなんだ...?」と悩まされましたが、意味が分かったときはとても達成感がありました。

ただ書いていて思いましたがshoes(シューズ)でも韻が踏めますよね。あえてnoseにした理由はあるのだろうか...

 

As I get older, see things slower,
歳を重ねるにつれて、世界が遅く見えてきた

 

My eneme's looking like kids and I'm the grown up
敵がただのガキに見える、俺は強くなった

As I get olderとI'm the grown upは似たような意味であり、あえて対応させたと考えられる。

 

Forget it, I'm the next masterpiece made.
忘れてたぜ、俺は皆様ご期待の超新星
直訳:忘れてたぜ、俺は作られた次の傑作

(世界に)作られた=世間に期待されている
とした。傑作、だとあまり日常的に使わない言葉でかなり口語的な雰囲気のある曲(ラップなので)の訳としてはしっくりこなかったので、超新星(期待の新人という意味で使われる)、とした。
小話だが、超新星天文学の用語で、実は死にかけの年寄の星のことを言うので、新人につかうのは矛盾している。

 

The new generation came up with the beast "ACE"
新しい時代が”エース”という獣を作っちまったのさ

ACEはP3fesのOPで流れる"P3 fes"の最後の歌詞でも登場する。

そことの対応。

 

But I'm the mister nice guy
俺はイカすやつだろ

 

See me I'm a wise guy

見ろ、俺はワイズガイだろ

 

ワイズガイはマフィア映画「グッドフェローズ」の原作の題名。
さらに、wiseは一般的には賢いという意味だがwise guyでマフィアの人間という意味もある。
さきほど出てきたゴッドファーザーと関連付けつつ、直前のナイスガイと韻を踏んでいるというなかなかイカした(niceな)詞。

 

Not a mafioso but I hustle like Mike
マフィアって意味じゃねえぞ?だけどよ、マイクみたいに張り切ってやるか

 

ここも意味が分かるとすごく面白い。

mikeはmichelの略であり、さきほどのマイケルコルレオーネの劇中での愛称。
マイケルコルレオーネはマフィアのボスである。

直前のwise guyに対して、マフィアの意味ではなく「賢い男」って意味だぞ、ということ。
だけど、マフィア(って意味でも捉えて、)マイクみたいにハッスルしてやるか、という流れ。
このへんの歌詞の韻というかダブルミーニングを思いつくのは天才。

 

Lay low if you're feeling me
もし俺を感じてビビってんなら、大人しくしとけ


Lay low おとなしくする、身をひそめる、雲隠れする

Lay lowは、P3のダンジョン曲"deep breath deep breath"でも使われている

 

I take these beats / freaks go crazy with me
このビートを受け取ってやるから / お前らも俺と一緒に狂ってこうぜ

 

So put 'em up in these break with me
盛り上げていこうぜ、この時代の夜明けの中で一緒に

‘em=them
put 'em up 手を上げろ、盛り上げていこうぜ

クラブ、DJとかで使われる。プチョヘンザみたいなやつの一種

 

So shake with the man, L to the J's, now follow me
体揺らせ、俺LJと一緒に
さあついてこい!

 

L to the J's = LからJ = Lotus Juice(作詞者)

'sがなんなのかわからない...所有格、所有代名詞のsではなさそうだが...

 

感想

ラップのユーモアや韻がかなり光っており、訳すのは大変だったがよく考えられていてすごいと思った。それと同時に、訳したことでこんなにも深い意味があることを知ることができ、良かったと思いました。

特に

lick the nose up

Not a mafioso but I hustle like Mike

の歌詞の面白さが個人的に好きです。

lotus兄貴はすごいぜ...

ペルソナ3フェス | アトラス公式サイト

より