ぜっぽう星人の侵略

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"Burn My Dread"歌詞和訳【解説付き】ペルソナ3(P3)

ぜっぽう星人です。

昨日ペルソナ3ポータブルをクリアしたので訳して行きます。

まずはOP、"Burn My Dread"の歌詞及び和訳と解説です。

解説にはがっつりネタバレアリ!!

 

Burn My Dread

恐怖を燃やせ

 

歌 川村ゆみ

作詞 小森成雄&小森祥弘

作・編曲 目黒将司

 

意訳

Dreamless dorm ticking clock

眠ることのない寮 カチカチと時を刻む時計


I walk away from the soundless room

僕は静寂に包まれた部屋から外へ出る


Windless night moonlight melts

風のない夜 月明かりが溶けていく


My ghostly shadow to the lukewarm gloom

ほのかに暖かい暗がりに僕の幽霊みたいな影が落ちている

 

Nightly dance of bleeding swords

毎夜の戦い、そこでは血塗られた剣が舞う

 

Reminds me that I still live

戦いが思い出させる、僕はまだ生きているって

 

I will burn my dread

恐怖なんて燃やすんだ


I once ran away from the god of fear

僕は一度は恐れの神から逃げ出した


And he chained me to despair

そして彼は僕を絶望に縛り付けたんだ

 

Burn my dread

恐怖を燃やせ


I will break the chain

そんな鎖なんて断ち切ってやる


And run till I see the sunlight again

そしてもう一度日の光を見るまで走り続けるんだ

 

I'll lift my face and run to the sunlight

顔を上げて明るい所まで走っていくんだ

 

Voiceless town tapping feet

声のない町 コツコツと靴音だけが響いている


I clench my fists in pockets tight

僕はポケットの中で拳を固く握り締める


Far in mist a tower awaits

遥か遠く霧の中で塔が僕らを待ち構えている


Like a merciless tomb devouring moonlight

それは無慈悲な墓のようで、月明かりさえ翳らせてしまう

 

Clockwork maze end unknown

時計仕掛けの迷路はどこが終わりか分からない


In frozen time a staircase stands

止まった時の中で、階段だけがそびえ立っている


Shadows crawl on bloodstain floor

シャドウ達が血塗られた床を這いずりまわっている


I rush straight ahead with a sword in hands

僕は手に剣を携えて真っ直ぐそこへと攻め込んでいく

 

Cold touch of my trembling gun

震える銃の冷たい感触


I close my eyes to hear you breathe

僕は目を閉じる、キミが生きているって感じるために

 

(Burn my dread
Burn my dread)

恐怖を燃やせ

恐怖を燃やすんだ

 

I will burn my dread

恐怖なんて燃やすんだ


This time I'll grapple down that god of fear

今度こそは恐れの神をしっかり捕らえて離さない


And throw him into hell's fire

そして彼を地獄の業火で荼毘に付すんだ

 

Burn my dread

恐怖を燃やせ


I'll shrug my pain

痛みなんて振り切ってやる


And run till I see the sunlight again

そしてもう一度日の光を見るまで走り続けるんだ

 

Oh I will run burning all regret and dread

そうさ、僕は走るんだ 全ての後悔と恐怖を燃やし尽くして


And I will face the sun with pride of the living

そして日の光を浴びるんだ、生きていることへの誇りを胸に抱いて

 

意訳の解説

迷ったのが一人称。個人的なイメージでは僕なのですが、映画版(結城理)は一人称が俺なんですよね。

自分は結城理という名前でプレイしたので訳は私のイメージ通り僕で行きたいと思います。見てくれた方で、「いやいや、俺だろ!」という方は頭の中で俺に変えて下さい。笑

 

Dreamless dorm ticking clock

眠ることのない寮 カチカチと時を刻む時計

dreamless 夢を見ない

影時間に入るときの様子を表している

巌戸台分寮と影時間に入るときの時計の演出のこと

このへんの一回音が切れる感じが非常に好き


I walk away from the soundless room

僕は静寂に包まれた部屋から外へ出る


Windless night moonlight melts

風のない夜 月明かりが溶けていく


My ghostly shadow to the lukewarm gloom

ほのかに暖かい暗がりに僕の幽霊みたいな影が落ちている

lukewarm 生ぬるい、ほのかに暖かい gloom 闇、薄暗さ、憂鬱

このあたりはメロディー、歌声、歌詞全てから影時間の雰囲気がすごく伝わってくる

 

Nightly dance of bleeding swords

毎夜の戦い、そこでは血塗られた剣が舞う

nightly 毎夜の bleed 血を流す

毎夜特別課外活動部は人知れず戦っている(実際には自由時間を増やすため一日で終わらせるわけですが笑)

 

Reminds me that I still live

戦いが思い出させる、僕はまだ生きているって

"まだ"

 

I will burn my dread

恐怖なんて燃やすんだ

ここでサビ、burn my dreadはP3のテーマですね。


I once ran away from the god of fear

僕は一度は恐れの神から逃げ出した

恐れの神=ニュクス

綾時に滅びは避けられないと告げられ一度はみんな心が折れかけました


And he chained me to despair

そして彼は僕を絶望に縛り付けたんだ

despair 絶望

he=綾時のことだと思います

despairはラストサビと韻が踏んである

 

Burn my dread

恐怖を燃やせ


I will break the chain

そんな鎖なんて断ち切ってやる

さっき出てきた絶望に縛り付けている鎖のこと


And run till I see the sunlight again

そしてもう一度日の光を見るまで走り続けるんだ

 

I'll lift my face and run to the sunlight

顔を上げて明るい所まで走っていくんだ

 

Voiceless town tapping feet

声のない町 コツコツと靴音だけが響いている

1番と2番の間にCメロが入る珍しい曲構成

ここも影時間の情景です


I clench my fists in pockets tight

僕はポケットの中で拳を固く握り締める

clench 握り締める

理は気だるげで常にポケットに手を突っ込んでいます


Far in mist a tower awaits

遥か遠く霧の中で塔が僕らを待ち構えている

mist 霧 await 待ち構える

某タルタルソースのこと


Like a merciless tomb devouring moonlight

それは無慈悲な墓のようで、月明かりさえ翳らせてしまう

直訳:それは月明かりを消滅させる無慈悲な墓のようだ

翳(かげ)らせる

merciless 無慈悲な、無情な tomb 墓 devour 破滅させる

分かりにくかったので意訳、タルタロスのキービジュアルが三日月に被って立っているのでこんな感じで訳した

 

Clockwork maze end unknown

時計仕掛けの迷路はどこが終わりか分からない

clockwork 時計仕掛けの maze 迷路 unknown 未確認の

タルタロスには歯車のような構造が確認できる


In frozen time a staircase stands

止まった時の中で、階段だけがそびえ立っている

staircase 階段 stand 立っている

タルタロスエントランスの階段のことかと。


Shadows crawl on bloodstain floor

シャドウ達が血塗られた床を這いずりまわっている

crawl 這う bloodstain 血痕

タルタロスの1階層では血溜まりが確認できますね


I rush straight ahead with a sword in hands

僕は手に剣を携えて真っ直ぐそこへと攻め込んでいく

rush 突撃する ahead 前方に

実際は後ろからこっそり忍び寄ります

 

Cold touch of my trembling gun

震える銃の冷たい感触

tremble 震える gun 銃

召喚器のこと、ゆかりも最初は震えていましたね


I close my eyes to hear you breathe

僕は目を閉じる、キミが生きているって感じるために

直訳:僕は目を閉じる、キミの息をする音を聴くために

breathe 息をする

これは1つ前のフレーズを考えるならば、戦いの最中、銃が震えてしまうが、落ち着いて目を閉じて、皆の呼吸音を聴く、という感じに思える。

もちろんその意味も合っていると思いますが、これ、理の最期のシーンじゃないか、とふと思いました。人間の気持ちを知ったアイギス、人になった(息をするようになった、とは人になった、ということの例え)彼女に抱かれ、彼は最後に彼女の人としての命を感じるために目を閉じたんじゃないでしょうか…

 

(Burn my dread
Burn my dread)

恐怖を燃やせ

恐怖を燃やすんだ

 

I will burn my dread

恐怖なんて燃やすんだ


This time I'll grapple down that god of fear

今度こそは恐れの神をしっかり捕らえて離さない

grapple しっかり掴む、取っ組み合う

一度は逃げ出したが、今度は向き合う。


And throw him into hell's fire

そして彼を地獄の業火で荼毘に付すんだ

直訳:そして彼を地獄の火の中へ投げ込む

Throwを上手く訳すのが難しかったです。

hell's fireと1番のdespairは韻になっており、センスを感じます。

 

Burn my dread

恐怖を燃やせ


I'll shrug my pain

痛みなんて振り切ってやる

shrug 両肩をすくめる

shrug off the pain 痛みを振り切る

理はLast Batteleの時点でとっくに限界を超えていたんですよね...


And run till I see the sunlight again

そしてもう一度日の光を見るまで走り続けるんだ

 

Oh I will run burning all regret and dread

そうさ、僕は走るんだ 全ての後悔と恐怖を燃やし尽くして

後悔、それは新垣や天田の件でしょう。


And I will face the sun with pride of the living

そして日の光を浴びるんだ、生きていることへの誇りを胸に抱いて

最期のシーン、屋上ではまさにこれが叶ったんですね...

 

感想

OPですが、訳すと完全にネタバレですね...

でも実際にプレイしないと真の意味は分からないくらいの絶妙な塩梅です。

 

解説でも触れましたが深夜の雰囲気が曲に現れていて心地よいです。かといってそこからサビはガラッと変わり非常に高揚させてくれる。目黒さんの音はもちろん、川村さんの力強い声、小森ズさんの感動的な詞が合わさって凄いことになってます。PVもスタイリッシュな感じでダークさを感じ、ペルソナ345の雰囲気の原点を感じました。

ちなみにOPムービーに出てくるMemento moriラテン語で「自分がいつか死ぬことを忘れるな」という意味だそうで、死を1つのテーマとしているP3をよく表している言葉です。

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