"Beneath the Mask"歌詞和訳【解説付き】(ペルソナ5(P5))(ペルソナ5ザ・ロイヤル(P5R))
雨や夜のときにかかる曲、"Beneath the Mask"の歌詞及び和訳とその解説です。
実際にプレイした作品なのでゲームの雰囲気を踏まえつつ、なるべく元の意味に忠実に訳してみました。
"Beneath the Mask"
"その仮面の下は"
作曲 目黒将司
作詞 Rike Schmalz
歌 Lyn
意訳
Where have you been?
何処に行ってたの?
Been searching all along
ずっと探してたのに
Came facing twilight on and on
長いこと黄昏ていたんだ
Without a clue
手がかりがなくてさ
Without a sign
見つかる兆しもない
Without grasping yet
まだ自分が何者なのか掴めていないんだ
The real question to be asked
一番重要な問題、それは
Where have I been?
俺の居場所は何処だったのか?ってこと
I'm a shape shifter
俺は変幻自在さ
At Poe's masquerade
ちょうどポーの小説の、仮面舞踏会のあいつみたいに
Hiding both face and mind
顔と心の両方を隠してる
All free for you to draw
仮面の下は貴方の想像にお任せする
I'm a shape shifter
俺はさながら怪人二十面相
What else should I be?
他に何になればいいのだろうか?
Please don't take off my mask
どうか仮面を剥がさないでくれ
Revealing dark
心の中の闇が暴かれてしまうから
Moments of calm
今、この平穏な瞬間
Nothing left to be found
もう何も探さなくていいんだ
A mirror right in front of me
まさに俺の目の前にある鏡
That's where I find
それが俺が見つけた場所
An empty glass
鏡の中は空っぽさ
Reflecting the sad truth
それは悲しい真実を映し出す
It's telling words not to be told
それは伝えるべきじゃない言葉を伝えてくる
I need the mask
俺には仮面が必要だ、見たくないものを見ないで済むように
I'm a shape shifter
俺は変幻自在さ
At Poe's masquerade
ちょうどポーの小説の、仮面舞踏会のあいつみたいに
Hiding both face and mind
顔と心の両方を隠してる
All free for you to draw
仮面の下は貴方の想像にお任せする
I'm a shape shifter
俺はさながら怪人二十面相
Chained down to my core
心の奥が鎖で繋がれている
Please don't take off my mask
どうか仮面を剥がさないでくれ
My place to hide
隠れられる唯一の場所だから
I can't tell you
教えることはできない
How to see me
どうやって俺を見つけるか
Just a cage of bones
骸骨だけが残った牢獄
There's nothing inside
その中には何もないように、俺の心は虚ろなんだ
Will it unleash me?
何かが俺を解き放ってくれるのか?
Burning down the walls
俺を阻む壁を焼き尽くしてくれるのか?
Is there a way
For me to break?
俺に壁を打ち破る方法なんてあるのか?
I'm a shape shifter
俺は変幻自在さ
At Poe's masquerade
ちょうどポーの小説の、仮面舞踏会のあいつみたいに
Hiding both face and mind
顔と心の両方を隠してる
All free for you to draw
仮面の下は貴方の想像にお任せする
I'm a shape shifter
俺はさながら怪人二十面相
Have no face to show
でも見せられるような、本当の自分の顔は持ち合わせていないんだ
Please don't take off my mask
仮面を剥がさないでくれ
My disguise
偽りの俺を暴かないでくれよ
歌詞の解説
本当の自分と向き合うことでペルソナを覚醒するが、この曲は覚醒前のことを歌ったもの。
ジョーカーは無実の罪を着せられ、蔑(ないがし)ろにされ、自分の存在意義を疑ってしまっている。
"Wake Up, Get up, Get Out There"冒頭の、
Who am I? 俺は誰?
Am I not unique? 俺は凡庸な存在?
Maybe I'm not here at all もしかしたら俺はここに存在すらしていないのかも
の部分も同じ心情ですね。
Where have you been?
何処に行ってたの?
Been searching all along
ずっと探してたのに
自分に問いかけている感じ
Came facing twilight on and on
長いこと黄昏ていたんだ
直訳:長々と黄昏に直面してきたんだ
twilight 黄昏、薄明 on and on 長々と
黄昏(たそがれ)時とは、夕暮れのこと
黄昏るとは、物思いに更けること
Without a clue
手がかりがなくてさ
Without a sign
見つかる兆しもない
Without grasping yet
まだ自分が何者なのか掴めていないんだ
The real question to be asked
一番重要な問題、それは
直訳:問われるべき本当の質問、それは
Where have I been?
俺の居場所は何処だったのか?ってこと
直訳:俺は何処に行っていたのか
自分の居場所が見つけられていない。
I'm a shape shifter
俺は変幻自在さ
shape shifter 姿や形を変える人
At Poe's masquerade
ちょうどポーの小説の、仮面舞踏会のあいつみたいに
masquerade 仮面舞踏会
P5のテーマの1つとして仮面舞踏会があるが、これはエドガー・アラン・ポーが1842年に発表した「赤死病の仮面」の題材になっている。Poeというのはこのポーのこと。
「赤死病の仮面」のあらすじを簡単に説明すると、
全身から血を噴き出して死に至る病、赤死病が萬栄していた国で、王が安全な城に閉じこもり仮面舞踏会を開催する。その中に赤死病の症状を模した仮面と衣装に身を包んだ謎の人物が紛れ込んでおり、王はその人物に殺される。その仮面をはぎ取るとその下には何の実体もなかった。このときに赤死病が城内に入り込んでいることが判明し、参加者たちは次々死んでいった。
というもの。
怪盗団はこの謎の人物がモチーフであり、パレスの主は殺された王だと考えられる。
訳のあいつ、というのはこの謎の人物のこと
実体がない、というのも本当の自分が何なのか分からない、というのに対応している。
Hiding both face and mind
顔と心の両方を隠してる
All free for you to draw
仮面の下は貴方の想像にお任せする
直訳:貴方が(仮面の下の想像を)描くのは自由だ
I'm a shape shifter
俺はさながら怪人二十面相
個人的に気に入っている意訳。
怪人二十面相というのはコナン君の名前の由来となった、江戸川乱歩の小説に登場する変装の達人。おそらくモーリス・ルブランの小説に登場するアルセーヌ・ルパンがモデルだとのこと。
shape shifterとは20もの顔を変える、まさに怪人二十面相のことだと思った。
おそらくジョーカーのモデルはルパンと怪人二十面相ですね。
ちなみにルパンのライバルはシャーロックホームズ。
モデルとなったルパンや怪人二十面相からshape shifterという歌詞を想起したのではないかと個人的には考えている。
What else should I be?
他に何になればいいのだろうか?
Please don't take off my mask
どうか仮面を剥がさないでくれ
Revealing dark
心の中の闇が暴かれてしまうから
reveal 明らかにする
Moments of calm
今、この平穏な瞬間
calm 平穏な
Nothing left to be found
もう何も探さなくていいんだ
直訳:見つけるべきものは何も残っていない
A mirror right in front of me
まさに俺の目の前にある鏡
強調のright
That's where I find
それが俺が見つけた場所
An empty glass
空っぽのグラス
Reflecting the sad truth
それは悲しい真実を映し出す
It's telling words not to be told
それは伝えるべきじゃない言葉を伝えてくる
itとはglassのこと
I need the mask
俺には仮面が必要だ、見たくないものを見ないで済むように
悲しい真実、伝えるべきじゃない言葉を知らなくて済むように、ということ
I'm a shape shifter
俺は変幻自在さ
At Poe's masquerade
ちょうどポーの小説の、仮面舞踏会のあいつみたいに
Hiding both face and mind
顔と心の両方を隠してる
All free for you to draw
仮面の下は貴方の想像にお任せする
I'm a shape shifter
俺はさながら怪人二十面相
Chained down to my core
心の奥が鎖で繋がれている
core 核
Please don't take off my mask
どうか仮面を剥がさないでくれ
My place to hide
隠れられる唯一の場所だから
I can't tell you
教えることはできない
How to see me
どうやって俺を見つけるか
Just a cage of bones
骸骨だけが残った牢獄
cage 加護、刑務所、牢屋 bones 死体、骸骨
There's nothing inside
その中には何もないように、俺の心は虚ろなんだ
Will it unleash me?
何かが俺を解き放ってくれるのか?
unleash 解き放つ
Burning down the walls
俺を阻む壁を焼き尽くしてくれるのか?
Is there a way
For me to break?
俺に壁を打ち破る方法なんてあるのか?
I'm a shape shifter
俺は変幻自在さ
At Poe's masquerade
ちょうどポーの小説の、仮面舞踏会のあいつみたいに
Hiding both face and mind
顔と心の両方を隠してる
All free for you to draw
仮面の下は貴方の想像にお任せする
I'm a shape shifter
俺はさながら怪人二十面相
Have no face to show
でも見せられるような、本当の自分の顔は持ち合わせていないんだ
直訳:見せるための顔は持っていない
Please don't take off my mask
仮面を剥がさないでくれ
My disguise
偽りの俺を暴かないでくれよ
disguise 変装、偽装
感想
しんみりとした、どこか落ち着くこの曲。よく流れる曲なので聞き覚えがある方も多いんじゃないでしょうか。
派手な曲の歌詞に目が行きがちですが、この曲もいつもとは違った雰囲気(自分が分からない感じ)で好きです。
ジャズクラブで流れる曲"No More What Ifs"も似た曲調、雰囲気、歌詞なので比較してみると面白いと思います。こっちは明智の心情を歌ったものになっています。
どこかの海外の方のコメントを使わさせていただくのですが、まさに"Beneath the Mask ll"です。
私は夜に2曲セットで流してます。笑